2023/05/19
メンタルヘルスと運動【後編】
おはようございます!
院長の高野です。
今回は、前回に続き、【メンタルヘルスと運動】についてご紹介したいと思います。
前回は、運動がメンタルヘルスについてとても良い効果があることをご紹介しました【前編】。
さて、前編の「運動とうつのリスク」のグラフの中に【運動量】という見慣れない表現があったのですが、今回はどんな運動をどのくらいやったら良いのか、ご紹介したいと思います。
✔運動をした方がいいのは分かるけど、どのくらいやればいいの?
運動の量は、その運動の強度と継続時間の積で表現されます。
運動強度は【METs】という単位で表されていて、それぞれの運動によって、概ね以下の表のように決まっています。
例えば、ウォーキングでしたら運動強度は3.5METsになりますので、1週間に合計2時間半くらいウォーキングをすると、WHO(世界保健機関)が推奨する運動量(8.8MET-h/週)を達成できることになります。つまり、1日30分のウォーキングを週に5日間行う計算になります。感覚的にも、そのくらい運動をしていたら、ちゃんとやっているなぁ、という感じでしょうか。
ジョギングでしたら運動強度がウォーキングの倍になりますので、その半分の時間でOKということになります。
もちろん、風邪をひいているなど、体調が悪い時は無理をしないこと、そして、心疾患などがある方の場合には主治医の先生に運動量について相談するようにしましょう。
✔高齢者はどのくらい運動したら良い?
上記のように身体活動はメンタルヘルス、特にうつ症状や不安症状を減らす効果があることが示されていますが、それ以外にも心臓病や糖尿病、がんなどの予防にも役立つと言われています。そして、思考力や学習力、幸福感を高めることも知られています。たしかに、普段から運動をしている人って、なんだか元気そうだし、活発な印象がありますよね。
そして少しの身体活動でも、何もしないよりはずっと良くて、できるのであれば運動は多いほうが効果的であるようです。
特に高齢者の場合には、ついつい座ったままや寝っぱなしになってしまうなどしがちですが、なるべく座りっぱなしの時間を減らすように、と勧告されています。
さて、ついでにWHOが勧める身体活動についてもう少しみてみると、ウォーキングなどの有酸素運動に加え、筋力トレーニングやスポーツなどの体を複合的に使用するマルチコンポーネント身体活動を組み合わせると尚良いと言われています。
一人で行う基礎的な運動に加え、ときどき友人と一緒にスポーツを楽しむ、というのが理想的な姿でしょうか。
✔【メンタルヘルスと運動】のまとめ
コロナ禍もようやく落ち着いてきましたが、自粛期間が長かったこともあり、すっかり体がなまってしまった方も多いと思います。
ぜひ、心身ともに健康になれるように、日々の生活の中に運動を取り入れていきましょう。