宿題をやらないときの対処法【子供の宿題】【小学生の発達課題】
このブログでは、こころのホームクリニック世田谷の公認心理士から、皆さんにお役に立てる事をお伝えしています。
ご参考になれば幸いです。
✔️宿題戦争!?
そろそろ夏休みが近づいてきましたね。
子どもがなかなか宿題をはじめないで、ゲームばかり、、、というご家庭も多いのではないでしょうか。
今日はお子さんに「宿題をやらないとき」の対処法や効果的な声掛けを、心理士の視点からご紹介していきます。
のび太のお母さんが「宿題やりなさーい!」と怒っているのをTVで子供の時から見ていました。私自身は母から言われたことがなかったので、こんな事になるのは、「子どもがのび太だからだろうなー」と他人ごとのように思っていました。
大人になって、まさか私がのび太のお母さんのように、「ガミガミ」と「宿題!」と言うようになるなんて(ToT)と、私のように感じているお母さんもいるかもしれません。
✔️宿題をやらない子どもの状況
まずは、心理士の視点から、宿題をやらない子供の状況を子供の立場から考えてみましょう。
・学校で疲れている
・つまらないので、勉強をやりたくない
・嫌なことがあってイライラしている
・お腹が空いている
心がモヤモヤしているとなかなか集中して勉強は出来ないものです。勉強がつまらない、と感じることをすぐに変えるのは難しいので、まずは、お母さんが満たせることは満たしてあげることで、宿題をやる手伝いができるかもしれません。
つぎに、子供の年齢です。
小学生1年生と6年生では状況が違ってきます。
1年生はやることを忘れている可能性もありますし、他のことに注意が向いてしまうかもしれません。そういう場合は、「今日どんな宿題があるの?」と宿題を思い出せる声掛けが有効です。
また、注意がそれてしまわないように、一緒にやることや、そばにいることが必要な時もあります。
一方、6年生では勉強量も多いですし、本人もやらないといけないことは分かっている場合が多いです。
帰宅後の今日の宿題の量とスケジュールを一緒に考えること、見えるように書き出していくことが役に立ちます。勉強に集中できる環境を整えることで、「常にサポートしているよ」という親の配慮が伝わり、安心して集中できる環境となり、助けになる場合もあります。
✔️親のスタンス
親のスタンスとして、まず、「宿題をさせる」のではなく、「助ける」が望ましいと考えています。
子供は「宿題をやらないといけないとわかっているのに、できない状態である」と考えます。そこで、子供が宿題をできるようになるためには、「母として、何が手伝えるか」という視点です。
「宿題しなさい!」ではなく、「どのようにしたら、宿題ができるか?」を子供と一緒に考えていく必要があります。近年注目されている概念が、「共同創造」Co-productionという考え方です。課題解決のためには、その当事者にも参加してもらって一緒に考えることが高い有効性を示すことが様々な場面で実証されています。子育ての場面においては、そうすることで、子どもは「自分が大切にされている」、「尊重されている」と感じますし、自身で問題を解決していく、解決力を身に着けていくこともできます。
そして、心理の視点から考えると、教育においても子供の発達段階に応じた対応が大切です。小学生の発達課題は「勤勉性を身に着け、自信つけること」です。
一方で、劣等感も感じやすい時期です。
子どもの学校での苦労を認めつつ、「勤勉性」「自信」をつけるための周囲の関わりが大切で、そのためには一緒に伴走してくれる人が必要です。
子どもに一番寄り添ってピッタリの方法を一緒に考え、見つけていくこと、それはきっと身近な大人であるお父さんやお母さんがベストパートナーであり、トレーナーであると思います。
✔️子どもの成長に合わせた対応
よくあることなのですが、子供は成長しているのに、いつまでも小さい子のように、関わってしまうことがあります。子供の年齢や発達状況に合わせて、お母さんの対応を変えていく必要があります。
子供がたくさんいると、お母さんも「幼稚園の親モード」、「小学生低学年モード」、「高学年モード」、「中高生モード」と変えなくてはならず、本当に難しいと思います。
✔️まとめ
どんなお母さんも完璧な対応はできません。
失敗したら、子供に謝って、次にどうしたら良いかを考えて、変えていけばいいのです。
完璧なお母さんより、失敗したりしているお母さんの方が、子供は困った時に、自分の失敗を話したり、相談しやすいと感じる場合もありますよ。
家の中の雰囲気がなんだか心地悪い、ピリピリしている場合は、何かしらのチャレンジして変えてみるべきサインかもしれません。
世田谷区、杉並区、調布市、三鷹市にお住まいで、訪問診療、訪問看護をお考えの方はこちらをご覧ください。