2022/05/09
考えを広げる、別の考えを探して心を楽にする方法【認知再構成法】【コラム法】
みなさんこんにちは、こころのホームクリニック世田谷の心理士高野です。
暑かったり寒かったりと、気候が落ち着きませんがいかがお過ごしでしょうか。
今回の「心理士ブログ」でご紹介する心のスキルは、認知再構成です。
認知行動療法でも核となる心のスキルです。
✓認知(考え)とは
認知とは、簡単に言うと私たちの「考え」です。
認知再構成法はこの考えを変えたり、幅を持たせたりすることによって、気持ちを楽にする、心のスキルです。
さて、私たちの考えは、どこから出てくるのでしょうか。
私たちには、それぞれに異なった“性格”があります。
内向的だったり、外に出ることが好きだったり、逆に家の中にいることが好きだったり。
繊細だったり、逆に物事に動じない性格だったりします。
それに加えて、今までの経験や生育環境、出会った人々の影響などによって作られた、価値観があります。
同じ状況であっても、私たちは一人一人、全然違う考えを持ちます。
例えば、一緒にお茶をしていた友人が、あくびをした時のことを考えてみましょう。
この同じ状況であっても、Aさんは「疲れているのかな」と思い、Bさんは「私は嫌われているのかな」と考え、Cさんは「私の話は面白くないかな」と思ったりします。
このように同じ出来事であっても、違う考えが起きるのはもともとの性格や価値観が影響しています。
さらには、その時の身体と心のコンディションも影響します。
疲れていたり、生理前だったりすると、イライラしたりネガティブな感情や考えが起きやすくなります。
✓防御反応による認知
人は、なにか起こった出来事に対して瞬間的に、ネガティブな考えをおこしやすいものです。
それは防衛反応のようなもので、とっさの判断です。
でもその状況を、多方面から情報収集してみると、別の側面が見えてくる場合があります。
✓認知の歪み
状況をよりネガティブに考えてしまうのが、認知の歪みと言われ、心身のコンディションが良くない時にはさらに強く起こりやすくなります。
例えば、1つ悪いことが起こると、全てがおしまいの様に思えてしまったり、悪いことの原因がすべて自分のせいに思えてしまったりすることなどです。
このような考えにとらわれると、とても辛い気持ちになり、ますます追い込まれた気持ちになってしまいます。
そのため、気持ちが落ち込んでいる時や心身のコンディションが良くない時は、特に意識して、防衛反応だけになっていないか、認知の歪みはないか、見落としていることはないかなどの情報収集を心がける必要があります。
✓認知再構成の方法
ここで、認知行動療法でよく用いられる【コラム法】の「7つのコラム」をご紹介します。
まず、起こった出来事、その時の感情、ぱっと頭に浮かんだその時の考えを書きます。
そして、情報収集をして、その時の自分の考えの根拠を書き出します。
また、その考えの反証つまり、そうではない可能性について考えます。
最後に、これらの根拠と反証を見て、建設的な考えを導いていきます。
以下リンクの「自動思考記録表」を参考に、一度書いてみて下さい。
また、こちらのホームページもとても参考になります。
「認知行動療法を使ってこころのスキルアップ」https://www.cbtjp.net/downloads/skillup/
ポイントは、その時の出来事と感情を、その時にタイムスリップしたようにリアルに思い出すことです!
そして、一人でやるよりも、カウンセラーや友人、家族など他の人と一緒に考えてもらうとやり易いかもしれません。
考え方の幅を広げる、認知再構成、ぜひチャレンジしてみて下さい。
そして、考え方の癖が分かってきたら、その癖のもとになっている心の体質、「スキーマ」についても検討していきます。
いつかまたスキーマ療法についても、ブログでご紹介したいと思っています。
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