2022/03/11
悩みが頭の中を離れなくて辛い時の対処方法【反すう思考】
このブログでは女性のメンタルヘルスについて、助産師、精神科ナースを経て、公認心理士から、皆さんにお役に立てる事をお伝えできたらと思っています。ご参考になれば幸いです。
今日は『反すう思考』についてお伝えします。
✔反すう思考とは
皆さんには許せないことがあったり、いつまでも嫌な言葉や気持ちが頭から離れない経験はありませんか?
そういった事を、ぐるぐる思考、反すう思考と言います。
反すう思考は時間が経つにつれ、薄れていくことが多いものです。
ただ、その様な気持ちの間はとても辛く、嫌な気持ちですよね。
仕事で良かれと思ってやった事が、クライアントからのクレームにつながり、上司から叱責を受けてしまった、、、
久しぶりに会った友人からのひと言が、どうしても気になってしまった、、、
そんな時、落ち込んだり、イライラを感じることがあります。
どうしたら、解決できるのかや、あんな事しなければ良かったと自責の念が生じたり、
あんな言い方しなくても、と相手を責める事があるでしょう。
グルグルと同じようなことばかりを考え、そのことに囚われてしまうのです。
✔反すう思考の弊害
この思考になっている間は、つねに考え事をしているため、周りからはぼーっとしているように見えたり、
集中力が欠けて他のやるべきことを忘れてしったり、とミスをし易くなります。
気をそらすために、スマホや自分の好きな事ばかりして、本来すべき事がないがしろになってしまうかもしれません。その事を逃避行動といいます。
そして、寝付きが悪くなり、寝不足からさらに集中力が低下してしまうこともあります。
そうなると悪循環で、益々状況は悪くなってまうのです。
私もなったことあるなぁ、という方も多いのではないのでしょうか。
✔反すう思考の対処方法
では、反すう思考に陥った時、どのようにすればよいのでしょう。
まずは、「自分はその出来事にショックを受け、反すう思考になってしまっている」と気づくことが大切です。
当たり前のように感じるかもしれませんが、その出来事に自分は”傷ついているのだ”と知ることが第一歩なのです。
カウンセリングではセルフモニタリングを通して、自分の気持ちや考えを記録に残してもらっています。
私たちは意外にも、自分の気持ちや考えに無自覚で、こころの声に気づいていないことが多いのです。
ノートやスマホ(便利なアプリも出ていて、awarefy がおすすめです。無料部分でも十分活用できます)に「出来事」とその時の「考え」、「感情(悲しい・怒り・不安など)」を書き出して、客観的に見てみることを心がけてみましょう。
マインドフルネスで、ありのままを受け入れ、その問題をちょっと横に置き、今の瞬間の経験に注意を向けます。
例えば、「私は今歩いている」、「空が青いなぁ」、「木がみえるなぁ」
「子供たちが遊んでいる」、「風が冷たい」
・・・など見えたこと、感じたことをつぶやいていきます。
最初は心の中だけのつぶやきだけだと、すぐに嫌な気持ちが支配してきそうになってしまうので、実際に口に出す方がよいでしょう。
さらに認知再構成を行い、考えの幅を広げたり、相手に求めても、変わらないことが多いので、自分の行動を変えることを試みたりします。
そうしている内に、嫌な気持ちから離れて過ごすことが出来る様になってきます。
✔まとめ
反すう思考というのは終わらない「自分一人での反省会」のようなものです。そのため、「反省会」を終わらせるイメージを持つとわかりやすかもしれません。反すう思考に気付いたら「反省会は終わり」とか、「反省を次に活かそう、これで終わり」と意識して、自分に伝えてみてください。
人の注意はそれやすいものです。また直ぐに反すう思考に戻ってしまうかもしれませんが、それでもいいのです。そういうものと思い、あきらめずに何度もチャレンジして、反すう思考から離れる練習していくことが大切です。当院のカウンセリングではそのスキル身につけるトレーニングも行っています。
反すう思考が皆さんを苦しめるとき、まずは「気付き」、そして、「今の瞬間に注意を向けること(マインドフルネス)」、「考えを広げる(認知再構成法)」、「行動を変える(問題解決法)」のステップで、悪循環から抜けることができますように。